daruma3940の日記

理解や文章に間違い等あればどんなことでもご指摘お願いします

カオスについて

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暇なのでカオスについてかたろうじぇ?
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いきなりね

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カオスの定義はいろいろあるけれどたぶん「初期値俊敏性を持っていて決定論的であるもののこと」なのじぇ
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この図でいう
{ \displaystyle
\lambda > 0 
}
を持つものなのじぇ



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昔流れてきたこのツイートも大まかに言ってカオスなのじぇ。

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はぇ~~~

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2次元調和振動子の場合を考えてみようじぇ。
これがハミルトニアンなのじぇ
{ \displaystyle
H_0 = \sum_{i=1,2} (p_i^2+\omega_i^2q_i^2)/2 
}

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見ての通りこの場合ハミルトニアンはx方向のものとy方向のものに分離できるのじぇ。
{ \displaystyle
H_0 = \sum_{i=1,2} (p_i^2+\omega_i^2q_i^2)/2 ≡  H_{0x}+H_{0y}
}
そしてこれら
{ \displaystyle
H_{0x}  と H_{0y} は保存されるのじぇ。 
}
{ \displaystyle
\{H_x,H\}_{classical} =dH_x/dt=0     ---(1)
}

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xについて見てみるとこれは位相空間的に周期的なのじぇ。

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そしてもちろんyについても周期的なのじぇ。
xについても周期的そしてyについても周期的ということはこれは位相空間上でトーラスになるのじぇ。

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ここでさっきの方法をちょっとだけ変えてトーラスであることを示すのじぇ。
(1)のハミルトニアンの力学変数を作用変数
{ \displaystyle
 J_i=(2\pi)^{-1} \oint p_i dq_i  
}
と角変数
{ \displaystyle
 \phi_i = \omega_i t  
}
に正準変換してみようじぇ。
まあ難しいことしなくてもここでは調和振動子なので作用変数は
縦軸
{ \displaystyle
\sqrt{2E}
}
横軸
{ \displaystyle
\sqrt{2E}/\omega
}
の楕円になるので
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楕円の面積の公式
{ \displaystyle
 S=\pi ab
}
を用いれば
{ \displaystyle
 S=2 \pi E / \omega \\
より \\
J=E/ \omega
}
このように計算でき、ハミルトニアン
{ \displaystyle
H_0 = \sum_{i=1,2} \omega_i J_i ≡  H_0(J_1,J_2)
}
このように書き直せるのじぇ。
ここで
{ \displaystyle
 dJ_i/dt=-\partial H_0  /\partial \phi_i =0 
}

であるので{Ji}は保存されるのじぇ。
これによってさっきの話と同じようにトーラスになることが分かったのじぇ。



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今度はこれに非加積分摂動を与えた場合を考えようじぇ。
{ \displaystyle
H_0 =   H_0(J_1,J_2)  + \epsilon \sum_{m,n} f_{m,n}(J_1,J_2)cos(m \phi_1 + n \phi_2)  ---(2)
}
非加積分摂動はフーリエ展開の形で与えるのじぇ。

ここで母関数を
{ \displaystyle
W= J'_1 \phi_1 + J'_2 \phi_2 +\epsilon \sum_{m,n} g_{m,n}(J'_1,J'_2)cos(m \phi_1 + n \phi_2)
}

として 新しい作用、各変数
{ \displaystyle
  \{  J'_i , \phi '_i   \}
}
を導入した正準変換を考えると
{ \displaystyle
 J_i= \partial W/\partial \phi_i= J'_1 +\epsilon \sum_{m,n}  (m\delta_{i 1}+n\delta_{i 2}) g_{m,n}(J'_1,J'_2)cos(m \phi_1 + n \phi_2)
}

なので(2)をJ'iの周辺でテーラー展開したものは,
{ \displaystyle
H =   H_0(J'_1,J'_2)  + \sum_{i=1,2} ( \partial H_0/\partial J_i ) (  J_i -J'_i )+ ... \\
=  H_0(J'_1,J'_2)  + \epsilon \sum_{m,n}  [ f_{m,n}+  (m\omega_1+n\omega_2)g_{m,n} ] cos(m \phi_1 + n \phi_2) +O(\epsilon^2)
}

になるのじぇ。

。もし摂動が小さく任意のm,nに対して
{ \displaystyle
 | f_{m,n} | << | m\omega_1+n\omega_2 |
}
が成立するのであれば、
{ \displaystyle
g_{m,n}=-f_{m,n}/(m\omega_1+n\omega_2)    (<<1)
}
のようにgを選ぶことでテーラー展開のεの一次の項を消すことができるのじぇ。
もし
{ \displaystyle
\gamma=\omega_1/\omega_2
}
有理数の場合は分母を発散させるm,nの選び方ができてしまうのでg関数は決まらないけれど、
有理数の数は無理数の数に比べてとても少ないのでそれは無視できると考えられるらしいのじぇ。

この手続きをεの高次の項に対しても繰り返すことで高次の項を消去でき、
ハミルトニアンは結局
{ \displaystyle
H=H_0(J^{(∞)}_1,J^{(∞)}_2)
}


となり、元のトーラスは変形して新しいトーラスができるのじぇ。
これを Kolmogorov-Arnold-Moser(KAM) トーラスというらしいのじぇ。
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gをどう選ぶかの話のにいろいろ疑問を持つ人は多いと思うけれどそこはかなり難しい数学の議論でKolmogorov-Arnold-Moserの論文に詳しく書かれているらしいのじぇ。



。もし摂動が大きくなってくると、
{ \displaystyle
 | f_{m,n} | >> | m\omega_1+n\omega_2 |
}
となり、
{ \displaystyle
 | g_{m,n} |<< 1
}
となる母関数を得ることができず、εの一時の項を消せないためトーラスは崩壊するのじぇ。これがカオスの発生なのじぇ。


ところでなぜ母関数が
{ \displaystyle
 | g_{m,n} | << 1
}
を満足しなければならないのかはまりちゃにはわからないのじぇ(詳しい人いたら教えてください。)


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本の内容をブログに書いてみればよくわかるんじゃないかと思ったけれど
大事で気になるところがはしょられているのでいまいちよくわからんって感じなのじぇ
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トーラスが崩壊してカオスがどのように作り出されるか
ポアンカレマップ、面積保存写像、孤立固定点についてkicked rotator modelの図を交えた話はまた今度気が向いたらなのじぇ


~~~~追記~~~~
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KAMトーラスなんて現実世界に現れるのかと思うかもしれないけど
うちの教授によるとなんと土星の環がKAMトーラスらしいのじぇ
土星の太陽を回る周期と,土星の輪をなしている塵が土星の周りを回る周期でトーラスを形成しほかの惑星によって及ぼされる引力が微小な摂動となり
周期比が有理数比から遠いところだけが輪として残っているということらしいのじぇ
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写真はここから
solarsystem.nasa.gov